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2004/09/13
民主党代表就任演説(岡田 克也)
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岡田 克也

 ただいま、皆様の総意により民主党代表に選ばれたことを誇りに思い、今回ご参加の仲間の皆様、そして全国の新しい政治の実現を期待する国民の皆様に対し、民主党代表として全力を尽くすことをここに誓います。

 私は、平成5年の細川政権成立の感激を忘れることができません。永く続いた国民不在の自民党政権を倒し、国民の大きな期待の中で新しい政治がスタートしました。大きな困難を乗り越えて、選挙制度改革や政治資金制度改革を成し遂げました。わずか11カ月の細川政権、羽田政権でしたが、まさしく国民が政治の可能性を感じることのできる素晴らしい11カ月でした。

 細川・羽田政権崩壊後、この10年間、私は野にあって、日本の政治を改革したい、政権交代可能な政治を実現したいという一念で政治家を続けてきました。多くの仲間が政治生命を失い、あるいは与党に戻るなかで、希望を失うことなく、自民党に代わる新しい政党と新しい政治を目指してきました。いま、この壇上からは、ともに細川政権をつくり、その後、志をともに貫いてきた皆さんの顔が見えます。そして、この10年間に、いかに多くの素晴らしい政治家が誕生し、育ったかを確認することができます。ともに困難を乗り越えるなかで民主党は大きく成長しました。

 昨年の11月の総選挙で、民主党の比例区選挙における得票は自民党を140万票上回りました。本年7月の参議院選挙で自民党を上回る議席を獲得し、比例区選挙においては自民党を400万票上回る勝利を得ることができました。この間の皆様の大変なご尽力に対し心から御礼申し上げます。この2回の国政選挙によって、日本は完全に政権選択の時代を迎えました。多くの国民は、次の総選挙において古い自公政治を終わらせること、そのために民主党が更に成長することを期待しています。既得権・利権を守るための政治から、生活者・消費者・納税者の立場に立ち、まじめに働き努力している人の声が届く政治への転換、いま内外ともに閉塞状況にある日本を立て直し、若者が希望を持つことのできる政治への転換が求められています。

 細川政権成立後10年を経て、いまようやくにして政権交代を成し遂げ、国民の手に政治を取り戻す最大のチャンスが目の前にあります。このチャンスを逃せば、当分の間政権交代は不可能となりかねません。私の任期であるこれからの2年間が極めて重要な2年間であり、大きな責任を感じています。この2年間で民主党を日本の政治の本流を担う国民政党に育て上げ、次の総選挙で政権交代を実現することが私の唯一最大の使命です。もちろん、自民党の抵抗はこれからが本番です。覚悟を持って戦いに挑まなければなりません。必ず私の責任を果たすことを国民の皆さんに約束します。同時に民主党の仲間に対して、心を一つにして我々の責任を果たしていくことを、ともに国民の皆様に誓い合うことを求めます。戦後初めての本格的な政権交代という大きな仕事を全員一丸となって何が何でも成し遂げようではありませんか。

 政権交代を成し遂げ、民主党政権を実現するために、私は2年間で3つのことを実行しなければならないと考えています。第一は党改革です。民主党を国民から信頼される政党にすることです。第二は政策です。民主党政権で何が変わるか、より骨太で、かつ国民の立場からのわかりやすい政策が必要です。第三は選挙です。次期総選挙、そして3年後の参議院選挙で必ず勝つための準備が必要です。以上3点について、これから具体的にお話しします。

 民主党政権を実現するために第一に重要なことは、民主党が国民から信頼される政党になることです。多くの国民が政治に無関心であったり、政治をあきらめています。政治家や政党を信頼していません。いまの自民党を見ていれば、国民が政治に失望するのも無理はありません。民主党がいままでの政党とは違う存在であり、信頼するに値する政党であることを国民が実感しなければなりません。21世紀の新しいあるべき政党を目指して、民主党の改革を進めていきます。

 私は今まで、幹事長として党改革を進めてきました。党の政治資金の透明性を高めるための監査法人による外部監査の導入、ホームページでの政治資金収支の報告、党所属国会議員の一歩進んだ資産公開の実現、記者会見の内外メディアに対する公開など、数多くの改革が既に実現しています。これらの党の透明性を高め説明責任を果たすための改革を今後も進めていきます。また、代表を始めとする党執行部の迅速な意思決定と、党所属議員によるチェック機能強化を両立させるための改革を行うこととし、そのための党規約の改正を先ほど承認していただきました。政権戦略委員会の設置、両院議員総会開催要件の緩和、常任幹事会議長の新設、地域ブロック協議会の設置がこれにあたります。今後最も重要な党改革は、地方組織の改革です。私が幹事長時代に、菅代表とともに年3〜4回の都道府県連幹事長会議の開催など民主党本部と地方組織の交流を進めてきました。地方組織は国民との直接の接点であり極めて重要です。これからの1年間で民主党の地域基盤を強化するための都道府県連や総支部の改革を進めていきます。同時に、党員・サポーターの拡大や党の財政基盤の強化のための改革に取り組みます。私は代表選挙出馬にあたって「民主党改革の方向性」を発表しました。いわば私の代表としての公約です。いま述べたことは、すべて私の公約の中に具体的に述べられています。強い決意で1年以内に公約を実現します。21世紀におけるあるべき政党像を目指して、更なる改革を進めていきます。

 民主党政権を実現するために第二に重要なことは、民主党の政策をより具体化することです。民主党は結党以来、議員間の政策論議を重ねてきました。その成果は数多くの議員立法の提出、そして総選挙・参議院選挙におけるマニフェストとして結実しました。これだけの政策を党内論議を重ねながら作り上げたことは今までどの政党にもできなかったことであり、大きな誇りです。次期総選挙においては、国民の視点に立った、より具体的で骨太なマニフェストを示さなければなりません。

 私は、「2015年、日本復活ビジョン」を提案しました。民主党が2期8年間、政権を担った結果の2015年の姿を国民の視点に立って示したものです。私はこの中で、7つの政策目標を示しました。すなわち、第1に本当の民主主義国家日本を創ることです。政治の強いリーダーシップは国民の政治への信頼があることが前提です。政治家が正当性を持って選ばれること、政治資金の透明性の確保などの実現が必要です。第2に自由で公正な社会を実現することです。実質的な機会平等の確保のための公立小中学校教育の改革、中間層の厚みを重視する政策、次の世代が希望を持てるための政策が必要です。第3に持続可能な社会保障制度を確立することです。とりわけ、少子高齢化社会を前提とした年金制度改革と医療制度の抜本改革が必要です。第4に効率的で満足度の高い地域社会を実現することです。そのためには国からの財源・税源の地方への徹底移譲は当然ですが、特に基礎自治体である市町村が自分の責任・判断で地域の運営にあたることのできる仕組みが重要です。第5に日本経済の活力を最大化することです。政府の介入を最小限にし、市場における競争を重視した政策の徹底が必要です。第6に財政の立て直しに道筋をつけることです。長期債務残高720兆円は自民党政治の最大の負の遺産です。プライマリーバランス黒字化定着のための説得力ある具体的なプランが必要です。第7に世界に最も貢献する日本外交を創造することです。世界の平和の創造に最も熱心で、かつ率先して貢献する日本を10年後の外交・安全保障政策の目標として、具体的政策を展開することが必要です。

 今後、このビジョンをたたき台に、外部の有識者を交えながら、その内容を充実したいと考えています。その後、『次の内閣』を中心とした党内論議を経て、1年以内に民主党の2015年ビジョンを完成させます。完成した2015年ビジョンは、次期総選挙におけるマニフェストの総論となるものです。これを前提に、政権獲得後2年、4年、そして8年間で成し遂げる具体的な政策をマニフェスト、すなわち国民との契約の形で示します。特に、政権獲得後最初の4年で実行する政策については、具体的な財源を示し、必要な法律案を準備することで、より充実したマニフェスト選挙を実現します。

 民主党政権を実現するために第三に、そして最も重要なことは、次期総選挙、そして3年後の参議院選挙で勝利するための準備を早急に進めることです。衆議院において単独過半数を実現するためには、170の小選挙区において勝利することを具体的目標としなければなりません。既に220程度の選挙区において候補者が決定しています。残る80近い選挙区において、予備選挙や候補者公募も含めてその擁立作業を進め、来年3月末までに300小選挙区において候補者を擁立することを目指します。参議院選挙についても、3年後を目指し準備活動に入ります。3人区、4人区における複数候補者の擁立方針を徹底します。女性候補者の数を大きく増やし、また志を持った有能な人材を全国から求めます。

 新人候補者や当選回数の少ない議員が地に足のついた日常活動を充実することは、民主党の地域基盤を強化するとともに、候補者や現職議員本人の当選のためにも最も重要なことです。まずは本人の自覚と自己努力が必要なことは言うまでもありません。党としても、研修や財政的支援を強化します。

 地方議会において民主党の公認・推薦議員を増やすことは、民主党を強くするためにも極めて重要です。都道府県などの議会選挙において、すべての選挙区に候補者を擁立するとともに定数3以上の選挙区に複数の候補を擁立することを基本方針とし、今後都道府県連とその実現のための協議に入ります。新たな候補者擁立にあたっては女性や民主党の支持層拡大につながる候補者を重視します。マニフェスト選挙、候補者の公募などを地方選挙にも拡大し、民主党は地方から日本を変えるための運動の先頭に立たなければなりません。

 以上、これから2年間で私が実行すべきことを、党改革、政策、そして選挙の3点にわたってお話してきました。もちろん、この間、国会における論議や国民との直接対話を通じて、民主党に対する期待を高めることも重要です。国民の7割以上が改正年金法に対し疑問を投げかけているにもかかわらず、また沖縄の米軍ヘリコプター墜落事故、米軍基地の再配置、そして日本歯科医師連盟をめぐる政治とカネの問題など問題山積にもかかわらず、自公・小泉政権によって国会の開催は拒否されています。次の国会では、国民の立場に立ってこれらの問題に正面から取り組まなければなりません。同時に、党首討論の定期化などの国会改革も重要なテーマです。

 政権交代のためには、いままで述べてきた改革を進めるとともに、私自身が国民から信頼されるリーダーでなければなりません。先の参議院選挙において、私はあえて今後の年金給付の削減と負担増は避けられないこと、3%の年金消費税の導入を主張しました。これからも、国民に対し率直に語り、国民が納得できる正直な政治を実現するリーダー、国民の気持ちがわかり問題意識を国民と共有しているリーダーを目指し、更なる努力をしていきます。まず全国を歩き、国民と広く対話を重ねます。参議院選挙後、既に北海道・茨城・福井・広島・長崎・沖縄を訪れ、年金問題や平和の問題、基地問題について対話を進めてきました。来年3月までに全国47都道府県すべてを訪れ、できる限り多くの人々と語り合うとともに、1つでも多くの地域の実践の場、いわば現場を訪れたいと考えています。

 私は15年間の政治生活の中で、リーダーとはどうあるべきかを考え、自分なりに努力を重ねてきました。私は、リーダーは強い信念と、そして謙虚さを兼ね備えなければならないと考えています。私は、皆さんの声に耳を傾ける謙虚さを持ちながら、必要なときには断固として決断し、実行するリーダーでありたいと考えています。

 もちろん、私自身の力は限られたものです。いま問われているのは、私たち一人ひとりの政権交代に向けての覚悟だと思います。政権交代し、国民の立場に立った政治を実現することは、私たち民主党に課せられた大きな使命です。しかもその目標達成は容易ではありません。多くの困難が待ち受けていることは間違いありません。政権交代と国民の立場に立った政治の実現という目標を全員が共有し、一致協力しなければその実現はないと考えなければなりません。いまこそ心を一つにすべきときです。あらゆる困難を乗り越えていくことを一人ひとりが覚悟すべきときです。そして、いまこそ国民の期待に応え、私たちの責任を果たすべきときです。

 ともに政権交代を成し遂げましょう。日本の政治を変え、国民の手に政治を取り戻しましょう。国民とともに未来に希望の持てる日本を切り開いていきましょう。この2年間を、日本の政治の歴史に残る大きな変化の2年間としようではありませんか。

 そのために、私自身自らのリーダーとしての使命と責任を強く自覚しながら、全力を尽くすことを誓い、私の民主党代表就任の決意とします。

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